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「ペンが回転しない技はペン回しの技か」


アリが死んでいる 角砂糖のそばで
笑いたい気もする あたりまえすぎて

―井上陽水





リクエストを頂いたテーマで記事を書く試みの第二弾1回目です。今回のテーマは「ペンが回転しない技はペン回しの技か」です。


タイトルのみだと少々わかりづらいかもしれませんが,リクエストをくれた方曰く,友人に「(コブラやラダーなどの)回転を伴わない技はペン回しの技ではないのではないか」と言われたことに端を発して,コブラやラダーなどの円軌道を伴わない技をペン回しとして扱うことに対して多少の違和感を覚えた,ということのようです。


リクエストを下さった方の友人がスピナーか非スピナーかは定かではありませんが,おそらく後者ではないかと推測します。「回転してない(すなわち円軌道を伴わない)技はペン回しの技ではないのではないか」という疑問は,スピナーという立場からすれば非常に斬新な質問に思えます。腹蔵なく言ってしまえば,ペンを回す立場の人間からしてみれば「どうでもいい」と思ってしまうような疑問です。だからといって,そのような疑問を蔑ろにすることはできません。この疑問を大局的に捉えれば,意義のある問題提起にあたるのではないかと私は思います。


「回転しない技はペン回しの技ではないのではないか」という疑問は「字がかけない改造ペンは棒ではないか」という疑問に通ずるものがあるのではないかと思います。こうした疑問は「”ペン回し”という呼称が用いられる限りは,その行為は筆記機能を有した”ペン”を用い,円軌道を伴った”回し”をする事によって初めて成立する」という限定的な言葉の解釈を前提とした思考に基づくものではないかと思われます。


さて,ペン回しに用いられる道具の範囲に関しては,先人たちによってこれまで何度も論じられています。

参考:
【100まで】ペン回し 99回転目【秒読み】(376辺りから)―文房具@2ch掲示板
http://that4.2ch.net/test/read.cgi/stationery/1143558574/

「字が書けないペンは「ペン」じゃなくて「棒」ではないでしょうか」―旧JEBスレッド 
http://penspinning.jp.land.to/phpBB2/viewtopic.php?t=707&postdays=0&postorder=asc&start=0

『「ペン」回しと「ペン回し」』―ここは開拓地(Frontier氏ブログ)
http://frontierpenspinning.blog106.fc2.com/blog-entry-452.html

いわゆる改造鈍器回しはペン回しなのか―雑談掲示板@ペン回しスレ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/37570/1296146688/


議論の焦点や情報としての質に多少のバラつきはありますが,「改造ペンは”ペン”なのか」という概ねの議題は共通しています。上記を参考にしつつ「ペンが回転しない技はペン回しの技か」という問題について考えます。


結論から申し上げれば,コブラ・ラダーはペン回しの技と認識されて然るべきだと思います。それは筆記機能を有していない「改造ペン」を用いた行為が「"ペン"回し」として認識されている理由に則った末に導き出した結論です。

コブラ・ラダーのような回転を伴わない技は,回転重視のペン回しを追及する過程において,ペン回しをより発展的で高次元なものへと昇華させるために生まれた技ではないかと思われます。つまり,回転を伴わない技の誕生背景には「他の単体技及び〆をコンボ(フリースタイル)の中で見映えさせるような美しい一連の流れを生み出すにはどうしたらよいか」という思考が源流にあると考えられます。即ち,円軌道を伴う多くの技(ノーマル,リバース,フェイクトソニック etc…)のように単体でも見映える技とは違い,コンボの概念が一般的となったからこそ成立する類の技だと考えられます。コブラなどの技は「ジャグリング志向」のペン回しの萌芽であるとも捉えることもできます。「ジャグリングめいた比較的派手な動作をペン回しに取り入れる」といった観点から生み出された技ではないかと推測できます。
このような思考は,多くのスピナーが「改造ペン」を使用するに至る過程にも影響していると思われます。「よりジャグリング的なペン回しを実現するためにはどうしたらいいか」「よりFS全体としての"流れ"を美しくするためにはどうしたら」という意識から,回転を伴わない技の開発や筆記機能を犠牲にした改造ペンの開発に至ったのだと思われます。


このような起源に鑑みれば「回転を伴わないペン回しの技」の出現は(改造ペンの出現と同様に)逸脱したものではなく,ある意味では必然的と解釈することができます。よって回転を伴わない技を「ペン回しの技と呼ぶに値しない」と断言することは難しいのではないかと思います。
過去,改造ペンに関する議論があった際にbonkura氏が「ペン回しの起源が世間に根差したものである以上,世間の認識から逸脱した常識外れの”遊び道具”を使うことは避けなければならない」という旨の発言をしていらっしゃいました。この発言は「ペン回しの技」という観点からも同様に捉えることができます。世間の認識から逸脱した常識はずれの技(例えばペンを頭上高く放り投げて,バク転してからキャッチするような技)を「ペン回しの技」として認識するのは困難ではないかと思います。


しかしながら,現状においては「世間からの逸脱」を許容し得る場面も存在するのではないかと思います。それはペン回しを一種の「ショー」としてとらえる場合です。参考として上記したFrontierさんの記事のコメント欄において「ショーとしてのペン回し」という概念が提唱されています。この概念はKay氏とのやり取りの中で提唱されたもので,今までの「机上」が前提とされてきたペン回しとは差別化した形で,観客の存在を前提とし,パフォーマンスに特化した"ショー"としてのペン回しを想定したものです。ショーとしてのペン回しにおいて観客はパフォーマーの全身を見ることになるため,上記したような「ペンを放り投げてバク転してからキャッチする」というような技も許容され得るのではないかと思います。誤解を恐れずに言えば,「ショー」という観点からすれば観客が楽しめれば「何でもあり」というような気もします。果たしてペン回しが大衆を楽しませるための「ショー」として成立するか否かについてはまだ議論の余地があるとは思いますが,今後ショー的なペン回しが今以上に普及していく可能性は十二分にあると思います。


まとめます。「回転を伴わない技」であったとしても,ペン回しの源流から大きく逸脱したものでない限りは「ペン回しの技」として呼称・認識されて然るべきだと考えます。しかし,例えばペン回しの源流から大きく逸脱するような技であっても,「ショーとしてのペン回し」という観点からとらえた場合,「ペン回しの技」として認識される範囲は大きく広がりを見せるのではないでしょうか。(この件に関してはもう少々議論の余地がありそうです)


以上,ご意見をくださった方のご期待に沿うことができたかは定かではありませんが「ペンが回転しない技はペン回しの技か」というテーマで記事を書かせていただきました。リクエストを下さった方,改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。この記事を読んで,ペン回しについて考えるきっかけとしていただければ嬉しいです。もしくは叩き台になれたら幸せです。



以上



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